今日はお休みの日。
けれど綾女は鬼平次に頼まれて、パンフレットのモデルをやっていた。
「初めてなのでよくわからないけれど、よろしく」
「おう、綾女。今日はすっごく可愛く撮ってやるからな」
「えー」
照れている綾女はとても可愛い。後ろの背後霊らしき左近がいなければ。
「何でお前まで来ているんだよ。俺は綾女にモデルを頼んだんだぜ?」
「うるせ。最近のお前の雑誌を見ているとヤバイ気がしてんだよ」
「あれはなぁ~、俺の趣味じゃなくって、スポンサーの意向なんだよ」
さっそく着替えてきた綾女はセーラー服。スカート丈はとても短い。
「この衣装なの?やだぁ、見えちゃう」
スカートを押さえながら鬼平次に文句を言う。カメラマンに呼ばれ、色々と動いてポーズを作る。
「いいねぇ、背が高くて美人なオトナなのに、制服も似合っちゃうんだね。次、こっち向いて、はい、いいよ!」
セーラー服は終わった。
「まさか次は体操着じゃないよな?」
ちょっとワクワクドキドキしてきた左近。鬼平次はにやりと笑っただけだった。
「ま、まさか、スクール水・・・」
後ろから綾女に小突かれる。
「そんなわけないでしょ!もう、何考えているの」
振り向いた左近、少しだけ鼻血が出た気がした。
体のラインにぴったりと沿ったチャイナ娘。スカート丈は長いが、スリットは深く、もう少しで腰のラインに届きそうだ。きれいな足を惜しげもなく見せている。その場にいる男どもの顔がいっせいに緩んでいる。
「すげぇスタイルいいなぁ。あれなら水着もできる。で、肌もきれいだろ?化粧品もいいし、手タレ足タレもできるなぁ。髪もきれいだから、シャンプーもいいねぇ」
俺の事務所と契約させろと左近に詰め寄るが、左近が首を縦に振るわけがない。
モデルという仕事の意識のためか、綾女はどんな服でも着こなしてしまう。きわどい服でも綾女らしく凛とした美しさは常にある。顔が緩んでいた男どもはだんだん仕事の顔に戻っていった。
休憩中・・・。
「左近たら、一番見惚れていたって鬼平次から聞いたわよ」
「そんなこと、あるわけないだろ」
言いながらも、左近は自覚している。いつ見ても新鮮な綾女。ずいぶん付き合いは長いが、見飽きない。見るたびに惚れこんでしまう。今もこうして綾女を見つめてしまう。
「はいはい、お邪魔しますよ」
鬼平次が衣装を担いで入ってきた。左近が舌打ちをして鬼平次を睨むが、鬼平次は平然としている。
「次は2人でカメラの前に立て。衣装はこれだ」
赤いドレスの綾女。着崩したタキシードの左近。2人で寄り添って立ったり、見つめあったり、抱き合ったり。さりげない動きでも常に左近は綾女を気遣っている。
「あの2人に何か持たせようか」
花束や指輪の箱を持たせてポーズを作る。そして撮影が終わった。
鬼平次の執拗な契約催促に負けず、2人は帰宅した。
お土産をもらって。
「どちらかお前の好みの衣装をやる」
鬼平次に言われ、左近が手に取ったのはセーラー服だった。
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