夏の終わりに 44 view 夏の終わりに1 暗い闇の中、私は手を伸ばしていた。傷ついた左近を庇って私は地面に叩きつけられた。蘭丸の一撃は身体を砕くような強い衝撃だった。とっさに出た行動。その瞬間、私の周…
夏の終わりに 44 view 夏の終わりに2 「気がついたか」甘い時間は終わった。入ってきたのは、綾女を叩きのめし、左近を傷つけた張本人であった。蘭丸も龍馬に串刺しにされたはずだが、見る限り元気そうだ。…
夏の終わりに 50 view 夏の終わりに3 綾女の背中の痛みはしつこく残っている。すっかり傷の癒えた左近は綾女の湿布を取り替えようといつものように声をかけた。「換えるぞ、綾女」「あ、今日は・・いい・・…
夏の終わりに 57 view 夏の終わりに4 綾女は急に体温が上がるのを感じた。左近の手は肩から綾女を抱きしめるように前に回った。自然、左近の身体が背中に密着する。「戯れは・・よせ」そう言うのが精一杯だ…
夏の終わりに 45 view 夏の終わりに5 「まったく、まどろっこしいな」月を見ていた左近に蘭丸が声をかけた。森蘭丸。表向きは信長の小姓を勤め上げた切れ者であり、絶世の美青年。だが裏を返せば野望に溢れ…
夏の終わりに 62 view 夏の終わりに6 ひと雨ごとに涼しくなる。綾女が目を覚ました時、真正面に左近の顔があった。綾女の身体を柔らかく抱き上げる。「あ・・」それは毎朝のこと。背中の痛みで起き上がれ…
夏の終わりに 80 view 夏の終わりに7 雨が静かに降っている。トクン、トクン・・左近の鼓動を聞いている綾女。ふたりの間に会話はない。左近は綾女を優しく抱きこみ、時々、髪を撫でている。綾女も今の状…
夏の終わりに 58 view 夏の終わりに8 雨は昼過ぎには止み、夕陽が射してきた。光は縁側にもたれている綾女を照らし、長い影を作った。夕方を告げるヒグラシが鳴き始めている。「もう、1日が終わろうとして…
夏の終わりに 72 view 夏の終わりに9 手足が鉛のように重く、熱がこもっている。綾女は倒れ伏したまま、部屋にひとりでいた。着衣も髪も乱れ、綾女は自らの肩を抱きうなだれた。あらん限りの抵抗をし、そ…
夏の終わりに 105 view 夏の終わりに10 明け方、綾女はまどろんでいた。そんな綾女の髪を左近は指ですいている。ふたりの胸元や背中にはお互いにつけた印がいくつかついている。「さこ・・ん」呟く唇。いつか…
夏の終わりに 1 view 夏の終わりに3 綾女の背中の痛みはしつこく残っている。すっかり傷の癒えた左近は綾女の湿布を取り替えようといつものように声をかけた。「換えるぞ、綾女」「あ、今日は・・いい・・…