「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。
女でなければと、よく言われたものだ。香澄の里には、姫がふたりいた。ひとつの魂をふたつに分かち合った双子の姫。同じ姿で、同じ声で、同じようにくるくるとよく動…
綾女が嫁ぐことになってからしばらくして、皐月は第一分家に嫁いでいった。「以前から申し入れはあったのだ。家柄も申し分ないし、何よりも好いた者同士が一緒になれるこ…
明日には日向の里に入る。何事もなくここまで進んでこられたが、綾女はずっと気配を感じていた。焚き火がパチンと音を立ててはじける。「そこのご仁。この身に用か」…
昼頃になり、日向の里に入った。出迎えを受け、綾女はしつらえられた部屋に入った。花嫁道具とはいっても、部屋や屋敷の立派さに比べるといささか地味に見えた。それ…
夜。綾女は左近と向き合って座っていた。脇には、ひと組の寝具。そしてふたつの枕。「皐月殿ではないな」綾女ははっとして左近を見上げた。そうだ、今まで姫さま…
綾女はあたたかいものに包まれて目を開けた。目の前には少しはだけた男の胸。そして枕だと思っていたのは男の腕。「ひ…!」綾女は飛び起きた。「眠れたか」目を…
里長の娘であるため、幼い頃から忍びの術は鍛錬してきた。だが、人には得手不得手というものがある。綾女は調略や身体能力に秀でていた。まさしく、父に男であればと言…
綾女は体の痛みとだるさを感じ、目を覚ます。下腹部に鈍痛が走る。何も身につけていないことに気づき、綾女は散らばっていた夜着をそっとたぐり寄せて羽織った。そば…
鏡に映る綾女は、昨日とは変わって艶やかである。一緒に食事をとる姿も仲睦まじく、時おり交わす視線も、そばにいる者が微笑ましく思えるほどになっていた。「左近、雪…
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