「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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君を慕いて・・1

皐月、菖蒲が咲く頃。15歳の綾女は、明日嫁ぐ。代々香澄の里に伝わる御神刀を守る家柄の綾女は、いわゆる”お姫様”である。忍びの技に秀で、容貌にも恵まれ、何も望…

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君を慕いて・・2

眠っていた綾女は、外のただならぬ気配に目が覚めた。すばやく身支度を整えると、外に炎が見えた。「綾女、いるかっ」進之助の声が聞こえ、外に出る。すでに我が家は火…

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君を慕いて・・3

どれくらい駆け続けただろうか。川を見つけ、綾女はやっとその足を止めた。振り返ると木々の向こうに赤い空が見えた。「兄上、高久様・・」深い絶望が襲ってきた。あ…

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君を慕いて・・4

安土襲撃前夜。綾女は冬に訪れた鳳来洞の出来事を思い出していた。初めて触れた男の体温。綾女の指がそっと自分の唇に触れた。「どうした、綾之介殿」刃の手入れ…

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君を慕いて・・5

龍馬、左近、綾女の3人が傷を癒してから葉隠れに戻ったのは、もう秋も深くなる頃だった。「遅かったので心配していましたのよ。ご無事で何よりです」桔梗が出迎えた。…

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君を慕いて・・6

夜も更け、その場は解散となった。「綾之介殿」足早に自室へ戻ろうとした綾女を、高久が呼び止めた。「同郷の方に会えるとは奇遇です。少し話をしませんか」高久は…

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君を慕いて・・7

綾女は自室で眠れずにいた。何度も寝返りを打つ。再開したときの感情は、嬉しいよりも戸惑いのほうが大きかった。忘れていたわけではない。色々なことがありすぎて、…

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君を慕いて・・8

左近は道場に出かけた。なまっていた体を動かそうと思った。そこには高久がおり、木刀を振っていた。綾女と同じような太刀筋。やはり香澄の人間だ。「そこにおられるの…

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君を慕いて・・9

綾女は自分のくしゃみで目が覚めた。暖かかった縁側は翳ってきていた。どれくらい眠っていたのだろうか。「あ・・」掛け物は左近のものだった。体を起こすと左近が歩…

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君を慕いて・・10

翌日も天気はよく、綾女は昨日と同じ場所で柱にもたれかかっていた。左近の部屋のすぐ外だ。左近は部屋を出ようとしたが、そのまま中にいた。「こんなところで。風邪を…

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妖刀絵巻6

朝晩がすっかり涼しくなった秋の夜。左近は久しぶりに綾女と顔を合わせた。御所への御用伺いが立て続けにあり、3ヶ月ぶりにゆっくりと綾女に会うことができた。「な…

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コーヒーブレイク2

左近と綾女が出会ったのは、佳代の喫茶店だった。開店祝いの手伝いをしていた佳代の友人綾女と、龍馬の友人の左近が出会ったのだった。綾女に一目惚れしてしまった左近は…

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大奥6

それから綾女は歩きまわることはしなくなり、調子のよい日は縁側まで出て柱につかまりながら立っていたり、脇息にもたれていたりしていた。子供たちもかわるがわる訪れて…

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再会9

安土に初雪が舞う日。「ちょっと、またー!」綾女の部屋のエアコンがまた壊れた。犯人は蘭丸。もちろん直し方も知っている。「なんだ綾女、また壊したのか」すっか…

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再会8

鬱陶しい梅雨が明け、眩しいくらいの太陽が輝く夏。ゴールデンレトリーバーだった信長は、蘭丸の手によりラブラドールのように毛を刈り込まれてしまっている。見るから…

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再会6

6月15日。梅雨の真っ盛り。毎年この日は左近の体調が最悪になる。左脇腹の痛みが強いのだ。龍馬も左の顔面が神経痛のようになる。蘭丸はみぞおちを痛がる。信長…

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再会2

その日はそれからふたり、若い男女のカップルが入居した。佳代たちの店が少し大きくなったので、住み込みのアルバイトを雇ったのだ。「わぁ、オープンテラスもできますね…

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妖刀絵巻5

綾女と出会う前、左近はほとんど毎晩あちこちの姫君のもとを渡り歩いていた。その整った顔立ち、甘い声、逞しい体、話術の巧みさに姫たちは虜になった。それが綾女と出…

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妖刀絵巻4

「今月は当宿が多くなる。お前に寂しい思いをさせるな」人形遊びをしていた綾女が、左近を振り向く。「とのい?」「ああ。御所に泊まるお役目だ」そろそろ10歳頃…

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妖刀絵巻2

綾女の成長は早い。屋敷に連れてきた時には、やっと首が座る赤ん坊だったが、桜が散る頃にはものすごい勢いではいはいをしている。左近が帰宅すると真っ先に迎えに行く…

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