本当の気持ち 113 view 本当の気持ち1 冥府魔道が閉じ、あたりには月の照らす明かりと静けさだけが残った。綾女は石垣の上から倒れている左近を見下ろした。「左近!」左近は息も絶え絶えで、喀血した。…
本当の気持ち 112 view 本当の気持ち2 綾女は涙をぬぐうと、左近の体を抱いた。「左近、行くな左近!」綾女の心の中に大きな変化が生まれた。私も左近を愛しているのだ。。。今になって何ということだ。…
本当の気持ち 153 view 本当の気持ち3 綾女の心が揺れた。左近の皮肉な表情、思いがけない優しさ、熱い唇、力強い腕・・・。綾女の今の想いを左近に伝えたい。左近の腕に抱かれたい。想いはあふれんばかり…
本当の気持ち 131 view 本当の気持ち4 ・・よいのか?・・綾女は自分の記憶が失われてしまうことに戸惑ったが、それよりも左近に会いたいと言う想いが大きかった。「私は、何をすればいいのだ」「心は決ま…
本当の気持ち 149 view 本当の気持ち5 少し離れた場所で綾女は眠っていた。日の光をわずかに顔に受け、閉じた目のふちには絹のような睫が影を落とし、唇はかすかに開いてかぐわしい息を漏らしている。寝顔その…
本当の気持ち 147 view 本当の気持ち6 ・・もし左近の言うことが本当であるなら、私は本名を教えるほどにこの男を知り、心を許していたはずだ。その覚えがないということは、私は記憶をなくしたのか・・ふと左…
本当の気持ち 162 view 本当の気持ち7 数日旅を続けてある里に二人は入った。久しぶりの安らげる雰囲気だった。深夜。人がみな寝入った時に、綾女は風呂に入った。旅のほこりを洗い流し、ゆったりと湯に浸…
本当の気持ち 259 view 本当の気持ち8 夜が明けて。表面ではいつもと変わらないように振舞っている綾女だったが、夕べの左近の言葉をことあるごとに思い出しては人知れず頬を染めていた。日も落ち、満月…
本当の気持ち 1 view 本当の気持ち・・完 安土の件があってから1年。綾女と左近は身も心も蕩けるような甘美な時間をともに過ごせるようになっていた。いつの間にか里人にも綾女が女であることは知れ渡っていた。…