とても平和な朝。
佳代はお店を開けて、そろそろ綾女が来る頃かとコーヒーの準備をしはじめた。
カランカラン
カウベルが鳴り響く。
「いらっしゃい・・・あら?」
そこにいたのは、綾女ではなく左近だった。
「まーたそんな顔して。ケンカしたんでしょ」
左近のしょぼくれた顔に、佳代は言葉をかけた。
普段は傍から見ても赤面するほど仲がいいのに、あるひとつの点だけは双方相譲らず、ケンカになる。
「俺はお前を愛している。もっともっと愛したい」
そう言い切る左近に、綾女は体力が持たないと言い返す。
そんなふたりを佳代はほほえましく見守っている。
で、今朝の左近。ポーカーフェイスで通している男が気の毒なほど落胆した顔をしている。
「ケンカ・・?ケンカ、ケンカか・・・。そんなことではない」
「じゃあどうしたの?」
「あいつが、いなくなった」
- 時を超えた絆
- 23 view
この記事へのコメントはありません。