「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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大江戸物語2

左近は、表向きは奉行所の職員だ。今で言うならば、検察事務官である。直属の上司は龍馬だが、事件がなければ暇である。
「いい天気だなぁ~~~zzz」
いい天気でも雨でも、暇であれば龍馬は寝ている。だが一度事件が発生すると鬼のように鋭いお裁きをする。
左近は夜になれば裏稼業になる。剣の達人である左近と情報収集に長けた綾女が組み、一種の裏のお裁きをしている。
ぽとん。
左近の長屋に、紙でくるまれた石が投げられると依頼だ。紙には「もせす」と、待ち合わせの時間と場所が書いてある。
「この「もせす」とは何だ?」
綾女が聞いたことがある。
「俺が参考にした読み物の中に「XYZ」を使うものがあったんだ。だが西洋の言葉は皆が知らんだろう?だからいろは文字の最後にしたんだ。あとがない、という意味さ」
綾女が笑い出した。
「だからといって、もせす???変なの。あとがないなんて、みんな意味が分かんないよ」
ひと枠だけ障子紙を張り替えながら、左近はしかめっ面をした。
「うるさいな、俺の考えだ」
「で、左近は依頼があるたびに障子を張り替えるの?」
「仕方ないだろ。閉めたまんま石が投げ込まれるんだから」
「穴空いたままにしていけばいいじゃない」
「覗かれるのはいやなんだ」
「じゃあ、ひと枠だけすべて貼ってしまわずに、一方だけ貼っておけば?で、下に箱をつけておくのよ。そうすれば家の中ほどまで石が飛んでくることも、障子を破かれることもないんじゃない」
左近は頷いた。
「いい考えだ。そうしておこう。じゃ、お礼に・・」
唇を尖らせた左近が急接近してくる。綾女は驚いたが、肩をしっかりつかまれ、逃げられない。
「んんっ」
初めて他人の唇を重ねられた。綾女はただ驚いていたが、気を持ち直して平手を食らわせた。
「血迷うな、左近」
「迷っていないぞ。俺はお前が好きだからな」
頬を腫らした左近。綾女は少しかわいそうになってそっと手を当てていた。

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