安土の戦いからひと月。里もやっと落ち着きを取り戻せてきた。
落ち着いてきたとはいえ、日に数回の巡回はまだ必要だった。そこここに妖魔が息をひそめている。
左近と分担し、綾女は巡回していた。もう3日ほど里には戻っていない。
綾女が1体妖魔を討つごとに、体に痛みが走る。まるで妖魔の血が内臓を蝕んでいるようだ。
今も1体討った。
「うっ」
蓄積された痛みは徐々に強くなり、綾女は膝を折った。息が荒くなる。痛みのため気が集中できず、妖刀の力も弱く、なかなか妖魔を倒せなくなっていた。
「まずい…」
あと少しで里に着くというとき、左近と会った。
「左近」
お互いの妖刀が求める相手に会って喜ぶかのように共鳴した。綾女の体の痛みがみるみるうちに癒されていく。
「綾女」
左近が駆け寄り、綾女を抱きしめる。綾女も左近の体に腕を回した。じんわりと温かみをわかち合う。
「綾女、無理をしていたんじゃないか」
「いや、大丈夫だ」
「嘘をつくな。俺の妖刀がちゃんと教えてくれていたぞ」
「ふふ、もう、大丈夫」
綾女の背中に薄く蜘蛛の痣が出ていた。左近は痣を舐めた。舐めたとおりに痣が消えていく。ひくんっと綾女の腰が揺れた。
3日ぶりに綾女を味わう。
「良庵殿から聞いた。一番小さい妖刀の持ち主は、妖魔の血に冒されやすいそうだ」
「そうなのか」
「だから、他の2振りの妖刀の持ち主が、冒された妖魔の血以上の血をそのひとりに注げば、浄化されてもう冒されないという話だ」
「そんな…。私は左近と龍馬殿の血を受けなければならないのか」
「いや、どちらかでよい!」
左近は語調を強めた。そして綾女の体内に挿入する。
「あっ、んっ、で、でも。左近の、血って…相当な量になるっ」
「血だけじゃなく、汗、唾液、涙などの体液でもいいそうだ」
綾女の顔がぱあっと赤くなった。
「そう、これも。お互いの体液を絡めれば効果はさらに上がると聞く。いくよ」
左近はたっぷり、何度も綾女を愛した。
綾女の背中には蜘蛛の痣ではなく、左近がつけた紅い華がいくつも咲いている。その背中をさらし、綾女は束の間の眠りについている。
左近は妖刀の光を確かめた。いつも青い光が、綾女と愛を交わしているときはピンク色に輝いていた。その輝きはどんどん強くなり、明かりがいらないほどだ。
「二色の光か」
左近は綾女を抱きしめた。
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