それからさらにひと月たった。
綾女と左近はともに行動し、毎日里に戻った。ともにいた方が妖魔を討つのに一人一人の力をより少なく、広範囲に使えた。
それでも綾女には毎回痣が浮き出る。痣はだんだん小さく、少なく、薄くなってきた。
今宵は十五夜。
左近は綾女の体を舐める。今回は左近の大好きな乳房にほんの小さく一つだけ痣が出ていた。
「ひとつだけになったな」
「うん」
ふたりでいるときは唇を重ね合い、抱き合い、この頃は外でも体を繋げていた。血の浄化という理由だけでなく、お互いに欲しかった。
ここ3日、綾女はいつになく左近を欲しがっていた。左近も喜んで遠慮なく注ぎ込み、綾女の甘い啼き声を堪能している。
今宵は左近の妖刀もピンクから赤に輝きの色を変え、ふたりを甘く包み込んでいた。
「左近、好き。好きよ」
「俺も好きだ。もう、離れられない」
綾女は左近によって男を知った。だが身体だけのもの。少しずつ左近に対して優しさや情を理解し、同調していった。
温かい陽だまりのような思い、せつなく狂おしい思い、癒される思い、体の中から満たされる思い。
綾女は左近に出会えて幸せと思う。これからもずっと共に生きたい人。
身体を入れ替えながら朝まで愛し合う。
綾女はおなかにふと温かみを感じた。
左近の妖刀がひときわ赤く明るく輝き、その光が綾女のおなかをやさしく包み込んだ。光はだんだん綾女のおなかに吸い込まれるようにして消えていく。
左近もその様子を見ていた。
「これは、もしや・・・」
綾女と左近の血が実を結んだ瞬間だった。それにより、綾女の中の妖魔の血は一掃された。
それから左近の妖刀は覚醒し、その威力は3刀の中でずば抜けていた。そこにあるだけで妖魔を寄せ付けない。
そんな中、綾女は左近との愛の証を産んだ。安土の戦いからちょうど1年後のことであった。
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