部屋に戻るが、まだ15時だった。
ディナーは19時から。
とりあえず、海の潮を流すために貸切の露天風呂つきお風呂に行った。
「さすが日焼け止めね。焼けていないわ。左近、後ろどう?焼けていない?」
惜しみなくきれいな背中を見せる綾女。まったく焼けていない。左近は黙って水着のラインがうっすらと残る肌を指でなぞった。
「え?わかるくらい焼けちゃった?」
「いや、大丈夫だ。ゆっくり回ってみろ。腕を上げて」
「え、あ、はい・・・」
言われたとおり、両腕を上げて綾女はゆっくり一回りする。明るい場所ですべてをさらすのはめったにないので、とても恥ずかしい。綾女のきれいなラインが惜しみなく見られて、左近は満足していた。
「だいじょうぶだ。これからドレスを着るんだもんな」
「うん」
ほっとした顔の綾女。体を洗いだした。左近は黙って綾女の背中を洗ってやる。華奢なので左近なら片手で洗えてしまう。綾女の背中に緊張が走った。
「何を身構えているんだ」
「だって、次は絶対いたずらしかけてくるでしょ」
「するもんか。今度は俺を洗ってくれ」
「変なのー、何だか不気味」
左近の背中を洗いだす綾女。広くて筋肉質の背中。大好きな左近の背中。両手で場所を変えつつでないと全面洗えない。ほう・・とため息をついて綾女は左近の背中に抱きついた。
「好き・・・」
そっと呟いて洗い流す。
いつからこんなに好きになってしまったんだろう。綾女は頬を染めていた。
左近、悶々。
綾女を可愛がりたいけれど、これからディナーだし、夜はもっと可愛がりたいし、今してしまったら綾女の体力がなくなってしまう。でも今しなかったら俺はディナーどころじゃない・・・。
「左近、私もう上がるよ」
「ああ、先にいって休んでいろ」
「じゃ、お先に」
左近にキスまでして散々煽って綾女は戻っていった。
「くそ、何であんなに可愛いんだよ!」
30分後。
ベッド上で横たわる左近の額の冷たいタオルを綾女が取り替えていた。
「大丈夫?湯あたりなんて」
「あー、大丈夫。イロイロあってね・・・」
19時。すっかり回復した左近は綾女とディナーの席についていた。
昼間の明るい綾女とは違い、大人びたメイクをした綾女。髪も結い上げてうなじを色っぽく魅せている。
ドレスも左近が選んだ品のいい物。程よい透け感が涼しげである。深い紫色のドレスは色白の綾女によく似合っていた。細い鎖が鎖骨に沿ってきらめく。足首まであるタイトなスカートはラメが入っていて動きとともに細かい光を生んでいる。膝丈まで入ったスリットからはちらりと白いふくらはぎが見えた。ヒールは5cm。足元が暗いのとロングスカートのため低めにしてある。もともと170cmある綾女は175cmになってしまうが、バランスのよいスタイルのためモデルのようだった。左近と腕を組んで歩くと一斉に視線を浴びる。
「腕を組むと、昨日のお式を思い出しちゃうわ」
「今夜の綾女もきれいだよ。俺が見立てたドレスがよく似合う」
「ありがと」
メイクのせいか、笑顔が艶っぽくて左近はまた驚くのだった。
2時間半かかってフルコースを終える。
「かなりの量だったわね。お腹を空かしておいて正解だったわ」
「だろ?これが数日続くと2日間は何も食べなくても腹が減らない」
「ふふ、そうなるかもね」
腕を組んで部屋に戻る。綾女が先にシャワーに入り、左近があとから入る。
「綾女?あー・・・」
綾女はすっかり眠っていた。
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