「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。
長い黒髪をひとつに結い上げ、着物姿で綾女は月を見上げていた。お茶を点てるアルバイトをしている途中だった。「綾女さん、ひとつ注文が入りました」「はい」時計…
綾女はタイムカードを押し、外に出た。月は煌々と輝きを増し、綾女を照らしている。足元には濃い影が伸びていた。玉砂利を踏む足音。いつしか綾女だけではないもうひと…
綾女は自分が手術を受けたことを左近に話していた。術後5年までは再発の危険性があることも話していた。「気にするな」綾女をいたわるように左近は優しく愛した。その…
綾女がホスピスに入院してまもなく、クリスマスの時期。綾女に外泊の許可が下りた。左近も綾女も久しぶりに自宅で過ごす1日。すでに食欲が落ち、歩くこともやっとに…
俺は母親を知らない。何でも、俺が生まれたときに亡くなったとばあちゃんに聞いた。父親も若いときに俺が生まれたから、専ら子育てはばあちゃんに任せていた。二十歳に…
綾女の突拍子もない申し出に、俺は驚いた。「へ?助ける?何を?」綾女は憂いを含んだ目で俺を見た。声をかけても、まともに目をあわせようとしない奴が、俺を見ている…
家に帰ると、父親が綾女をやさしく出迎えた。近くに住んでいる叔母の佳代も来ていた。「左近の父です。これは私の妹の佳代」「こんばんは、佳代です。左近から話を聞い…
別室で佳代は綾女の身体を見て息を呑んだ。打撲痕が数ヶ所もある。いずれも服に隠れて見えないところにあった。治りかけのものもあれば、つい最近ついたと思われるものま…
俺はベッドに横になったまま眠れずにいた。昨日まで何も関知していなかった綾女のことが今日になってクローズアップしている。「話を聞いてくれそうだったから」だか…
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