「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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輪廻2

長い黒髪をひとつに結い上げ、着物姿で綾女は月を見上げていた。
お茶を点てるアルバイトをしている途中だった。
「綾女さん、ひとつ注文が入りました」
「はい」
時計をチラッと見る。もう数分で交代の時間が来る。
「あとの注文はありませんか?」
「今のところありません」
「それなら、このお茶は私が持っていきますね。どの方かしら」
「若い男の方です。肩まで茶色い髪を伸ばしています。すっごいハンサムですよ[:ハート:]」
綾女もつられてにっこり微笑んだ。
お盆にお茶、お絞りとお菓子を添えて綾女はその男性のもとに行った。
「お待たせいたしました」
男性が綾女を見る。その目が見開かれた。
「綾女・・か?」
「え?」
男性の声にならない声が聞こえ、綾女は視線を合わせた。男性はふっとかぶりを振り、まさかな・・と呟いた。
「何でもありません」
綾女は不思議と心惹かれながらも見守っていた。
「ごちそうさま。おいしかった。このお茶は誰が点てたんですか?」
低く甘い声で男性…左近は綾女に話しかけた。
「私です・・お茶を習っているので、ここのアルバイトを今日だけ頼まれたんです」
「そう・・。とてもおいしかった。ありがとう」
左近は器をお盆に乗せた。
「あの、私、綾女というんですが…。さっき何か言いませんでしたか?」
左近の瞳が鋭くなり、綾女は少し怖さを覚えた。周囲には誰もいなくなり、ふたりだけになっていた。
「綾女」
不意に綾女は唇を塞がれた。熱く柔らかい、情熱的な唇。息もできずに綾女は固まっていた。
「いやっ!」
綾女はお盆を持って逃げ去ろうとした。
「俺は左近だ。覚えていないか?」
綾女の足が止まったが、またすぐに部屋から消えていった。

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