左近は着るものにも迷っていた。15cmもの身長差。体格差。着ようとすると大きすぎる。
「私のジーンズなら入るかしら」
綾女が出してくれてもウエストが入らなかった。
「丈はいいんだけどな。綾女、ウエストそんなに細いのか」
綾女は真っ赤になった。左近の手からジーンズを剥ぎ取ると部屋を出て行ってしまった。
「何怒っているんだ、あいつ。ま、仕方ないな」
トレーナーとスエットでとりあえず服は着られた。足は幸い変化がなかったので、そのまま履けるのがありがたかった。
改めて綾女を見る。
若返った自分とそう年齢に差はないはずだ。せいぜいいっても21くらいだろう。だがかもし出す甘さ、女らしさは今の左近にとっては濃厚な刺激でしかなかった。
「なぁに、じろじろ見て」
恥ずかしそうに綾女が俯く。こんなにいい女だったっけか・・?
左近は思わず綾女を抱きしめた。
綾女は違和感に気がついた。
左近に抱かれるのはいつものことだったが、あの厚い胸板や逞しい腕に慣れているため、やはり物足りなさがある。そしてその物足りなさは、守ってやらねばという母性本能に繋がった。
そう、弟。
今の綾女には左近は弟のような存在になっていた。
- 現代版
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