朝5時。綾女はしっかりと覚醒した。
「よく寝たなぁ」
久しぶりにぐっすり眠れた。左近が色々してくれたんだっけ。
自分の隣にひとり分のぬくもりがあった。もしかして一緒に寝て・・・。
そっと体を触ると服を着ていてほっとした。
「綾女。起きたのか」
「うん」
「まだ早いぞ。うう、寒いな」
当然のように左近が隣にもぐりこんできた。綾女を腕の中に閉じ込める。
「綾女はあったかいな。湯たんぽみたいだ」
「湯たんぽ・・」
左近が足を絡ませる。そのまま寝息を立てていく左近。
「私は苦しいだけだっ」
怒っても起きない。動けないし暇なので、左近の顔を見上げた。
本当にきれいな顔。私より睫が長いんじゃないかな。ちゃんと眉も手入れしてある。髭がない。さっき起きていたのは髭を剃っていたのかな。伸びてくるとちくちくするよね。
左近の唇をそっと指でなぞる。意地悪な口。私をからかってばかりいる。けれど優しいことも言うのよね。ふさいじゃお。
綾女はそっとキスをする。綾女の唾液で左近の唇が濡れる。それを見ると綾女はさらに唇を重ねた。
ふふ、おまじない。意地悪なことが言えないように。
左近が目を開けた。
「えっ」
「ずいぶん色気のある起こし方だな」
綾女は背筋がぞっとした。気づいていたんだ。左近の雰囲気は前と違った。怖いくらいだ。
「誘ったのは綾女だからな」
綾女を仰向けにし、両手首を固定する。
「いやよ、左近、乱暴はやめて」
言いながら綾女は自分の体に火がついていた。こんなことされているのに私はいやらしい女だ・・・。
- 現代版
- 27 view
この記事へのコメントはありません。