「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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風が舞う時9

宿舎に戻った綾女は、龍馬に会った。
「お、綾女、左近。さっきは悪かった。いらんことを言ってしまって」
「そんな謝らないでください」
「龍馬、もういいんだ。雨降って地固まるというやつだ」
「そうなのか?なんだ、そうか」
龍馬はほっとしたように笑った。
綾女はゆっくりお風呂に入っていた。
一昨日まで平凡な高校生活を送っていた。試験明けには佳代と笑って、騒いでだっけ。ここに来てから少しずつ色んなことが引っかかって、私自身も少しずつ変わってきている。
男の人に告白されたことはないことはないけれど、左近に出会って告白されて、今までで一番嬉しかった。まだ知り合って間もないけれど。
「間もないかしら。前から知っている気がする」
あのフラッシュバック。あの人が左近と重なる。
「ああ、のぼせちゃう、出よう」
綾女は部屋に戻った。
夜中。
龍馬たちの部屋の戸をたたく音がした。
「なんだ?」
「ごめんなさい、佳代です」
龍馬が開けると、青い顔をした佳代が立っていた。
「綾女が、変なの。夢でうなされて苦しそうなの」
「俺が見てくる」
左近は綾女たちの部屋に入った。綾女のそばに腰を下ろす。綾女は安らかな顔をしているが、息が上がっていた。ひどくうなされたのだろう。額にかかる髪が汗で濡れていた。
「綾女、大丈夫?」
佳代が龍馬と一緒に来て、覗き込んだ。
「今は落ち着いたみたいだ」
そう言って綾女の前髪を上げて汗を拭いている。その表情は本当に愛おしいものをいたわる優しさがあった。佳代と龍馬が赤面するほどであった。
「また何かあったら、今度は直接俺の携帯にかけてくれ」
「は、はい」
左近は佳代に番号を教えると、龍馬と戻っていった。
「綾女、愛されているのね」
佳代はくすっと笑って、しばらくすると眠りに落ちていった。

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