作業当日。
左近はボードを片手に作業の割り振りをしていた。
「龍馬、これでいこうと思うんだが」
「ああ、いいんじゃねーの?お前に任せてあれば大丈夫だろ」
龍馬は大きな体を傾け、ボードを覗くと豪快に笑った。
「ああ」
左近は発掘スタッフに集まるように声をかけた。総勢10名。
「ねぇ、あの人超かっこいいよね」
クラスメイトの佳代がつつく。
「そう?何か怖そうだよ」
振り向くポニーテールの少女、綾女。
「はいそこ、おしゃべりしない。山の中なので単独行動はせず、必ず2人1組で行動してください。何か見つけたらこちらに声をかけてください。日差しが強いので水分補給はこまめに。体調が悪くなったら言ってください。ではよろしく」
左近は帽子をかぶり、サングラスをかけた。ラフな格好でもモデルのようで目を引く。
綾女たちは言われた場所に移り、ていねいに掘り始めた。
「ねーねー、あの人と私たち、同じ宿舎に泊まるんだよね。嬉しいなぁ」
佳代は手より口が忙しそうだ。綾女は返事をしながら黙々と作業を進めていた。出てくるのは瓦や石塀の剥がれ落ちたものが多かった。
左近は現場を見回っていた。掘り出されたものはあっても、瓦が多かった。
「俺の勘だと、何か大物が埋まっている気がするんだよな」
昔から左近は勘が鋭い。その勘が外れたことはなかった。あまりにも当たるので、親が世間に言わないように口止めをしていたほどだった。
「あの、これ見つけたんですけど」
佳代が左近を呼んだ。
- 現代版
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