二人は食事を摂っていた。
「おいしい」
綾女が美味しそうに食べる。左近は微笑みながら綾女を見つめていた。
「綾女のベッドの周りには俺がたくさんいるな」
写真立てが3枚。毎朝毎晩キス付きの挨拶をしている。
「まさか、ちゅーはしていないだろ」
綾女は笑ってごまかした。
「左近はどうなの?」
「飾って見つめているだけさ」
「それだけ?」
「それだけって、それだけだよ」
「綾女〜、ちゅう〜とか、ぎゅう〜とかしているんじゃないの?」
ギクッとなる左近。もちろんしている。それ以上にあんなことやこんなことも。でも絶対それは言えない。
「してないしてない」
「何だ、さびしいの」
綾女は黙々とご飯を食べだした。どうやら機嫌が悪い。
・・まいったなぁ、してるって言えば変態呼わばりされるだろうし・・
「してる」
「え」
「綾女の写真にキス・・しているよ」
左近は言いながら顔を赤くした。綾女から目をそらしている。綾女はドキッとした。左近が色っぽい。
「あ、ありがと」
そう答えるのが精一杯だった。
「でも今の綾女がもっと好きだ」
かちゃ、と食器が音を立てる。左近は綾女の隣に来た。
「写真じゃない、綾女に・・キスしたい」
「左近」
綾女は目を閉じた。左近の唇が重なった。そして離れた。
「左近?」
左近は綾女の額に手を当てた。
「微熱かな?今日はもう寝たほうがいい。おやすみ」
- 現代版
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