夕方になり、綾女は佳代と買い物に出かけた。
綾女は明るく振舞っていたが、それが空元気のようで佳代は逆に心配だった。
「綾女さん、もしよかったら今晩うちで一緒にご飯食べない?」
佳代の気遣いに綾女は頷いた。
ちょうど龍馬も帰ってきており、3人で食卓を囲んだ。
「左近が帰ってこない・・か・・」
「確か左近も龍馬さんと同じ警察の人よね。何か知らないの?」
佳代に言われ、龍馬は腕組みをして黙ってしまった。言うに言えない左近の所属。けれどこんなに寂しさを我慢している綾女を見るのは忍びなかった。
「あ、でももういいんです。私の勝手な思い込みだったから」
「思い込み?」
佳代が厳しい目を向けた。
「初めて会ったときからずっと好きだって言われて、私その気になっていたの。そしてその矢先に左近がいなくなって・・・。だから私の思い込み」
「違うわよ、何か理由があるのよ」
佳代は龍馬を見た。龍馬は言いにくそうに言った。
「あと3日・・左近は帰ってくる。だから待っていてやってくれ」
「本当ね?これ以上綾女さんを悲しませたら私許さないから」
「3日だ。理由は左近から聞いて欲しい。俺から言うことはできないんだ」
綾女はこぼれそうになった涙をそっと抑えた。
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