ひとつ寝返りを打って、綾女は目を覚ました。
「あれ?夢?」
隣にも誰もおらず、綾女は不安に思った。
「左近、いるの?」
床に脱ぎ捨ててあったバスローブで肌を隠し、綾女はふとドレッサーに映る自分を見た。
胸元にいくつもつけられた、紅い華。
たしか夕べ左近は、いつもより激しく綾女を求めた。
部屋を出ると、シャワーの音が聞こえてきた。
曇りガラスに透ける姿は、左近。綾女はバスローブを脱ぎ、シャワールームに入った。
「お目覚め?姫様」
左近が茶化す。そんな左近に綾女は抱きついた。
「みんな、いなくなっちゃった?」
左近はシャワーを止めた。
「ああ。みんな帰ったよ、いるべき場所に」
左近の手が、少し濡れた綾女の髪を優しく撫でる。
「そっか・・・いるべき場所。みんなそこにいるんだよね」
「そうだな、きっといる。で、俺たちを見ている」
「うん」
綾女が顔をあげ、左近を見つめる。やがてどちらからともなく唇が重なった。
やがて外伝は公開されたが、喜平次が言ったとおり、別の意味で有名になった。
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