「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. あの時代
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忍びの姫2

綾女が嫁ぐことになってからしばらくして、皐月は第一分家に嫁いでいった。
「以前から申し入れはあったのだ。家柄も申し分ないし、何よりも好いた者同士が一緒になれることは幸せなことだ」
「そう・・でございますね」
皐月を思いやった発言が逆に綾女の気分を塞がせてしまい、進之助はあわてた。
「綾女も行くのだな。花嫁道具はあちらに着いたと報告があった」
「明日発ちます。兄上、私は定めとして受け入れております。色々と、お世話になりました」
綾女は頭を下げ、部屋を出た。
廊下の途中で、綾女はあちこちを見まわした。
何もかもが、今は懐かしい。
庭に降り、暮れゆく西空を眺める。
ついこの間まで姉と戯れていた庭。樹木の影が伸びている。
「姉上も同じ思いで眺めたのかしら」
嫁いだら、この家の娘として敷居をまたぐことはない。
頬を流れるものがあり、綾女はそっと拭いた。その様子をひとりの男が気配を消して見ていた。
翌朝。
門出を祝うような雲ひとつない空。
綾女は娘の身なりをせず、男装した。これから山を越えていくのだ、いつ何があるかわからない。
髪をひとつに結いあげた姿は中性的で危ういほどの眩しさがあった。
「では、行ってまいります」
「うむ。道中くれぐれも気をつけなさい」
供をふたり連れ、綾女は旅だった。そのあとをひとりの男が影のようについていく。

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