「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. あの時代
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忍びの姫3

明日には日向の里に入る。
何事もなくここまで進んでこられたが、綾女はずっと気配を感じていた。
焚き火がパチンと音を立ててはじける。
「そこのご仁。この身に用か」
気配が揺らめき、男が姿を現した。深く笠をかぶっているので表情は読みとれない。背中に長く垂らした明るい色の髪が印象的だった。
供の者が刀に手をやり、構える。それを綾女は制した。
「お前たちの手に負えるものではない」
笠から見える口元がわずかに緩んだ。
「ほう、わかるのか。さすがは香澄の姫」
「何?」
男は綾女に近づいた。身の丈6尺近くはあろうか。見上げると笠の中の顔が見えた。整った顔立ち、琥珀色の瞳。
綾女は術にかけられたかのように動けなくなり、男と見つめあう。
「だが、まだまだだな・・この程度では」
再度口元が緩み、皮肉っぽい笑みを作る。そして去って行った。
「姫、何者でしょうか、あやつは」
「こちらを知っていた。偵察かもしれぬな。里に入るまでは気を緩められない」
綾女は一気に力が抜けたように、大きなため息をついた。

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