「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. あの時代
  2. 40 view

振り返り2

ふと先のほうで何か争う声が聞こえた。
「野盗か?」
左近は足を速めた。
一人の若い男が数人の男に囲まれている。男は行商人のようで、野盗はその荷物を狙っている。
「そのまま置いておけば命はとらないんだけどよ」
ニヤニヤと笑っているのは下っ端。行商の男は震えながら荷物を下ろした。
「ありがとよっ」
下っ端が男に向かって刃物をきらめかせた。
ギン!
下っ端が手を押さえ、足元に刀が転がった。
「命はとらぬと言っていただろう」
左近が行商の男の前に立ちふさがっていた。野盗は捨て台詞を残して去っていった。
「まことに申し訳ない」
男は左近に頭を下げた。
「いや、荷物も無事でよかった。山中はあの輩が多い。気をつけられよ」
男は橘と名乗った。
「もしよければ、私の家にお泊まりください」
もうじき我が家というところで災難に遭ったといい、橘は笑った。
「1年ほど前までは安土によく行っていたんですが、あのようなことになってしまって。今では京の都まで行っているんですよ。日数はかかりますが、安土とはまるで規模が違います」
程なく里に入り、橘の家に着いた。屋敷とまでは大きくないが、そこそこ不自由なく生活できているような雰囲気だった。
「お帰りなさいませ」
一人の若い女が出迎えた。左近は何気なくそちらを見て驚いた。
「今帰った。お客人を案内してくれ」
「はい」
橘は左近を見、その表情を見て女を見た。
「お知り合いですか」
「昔の・・知り合いによく似ている・・」
女はふと顔を上げ、左近を見た。あまりにも自分を凝視しているので、少し首をかしげている。
「ご案内いたします」
左近は言われるままに女についていった。

あの時代の最近記事

  1. つなぎとめて3

  2. つなぎとめて2

  3. つなぎとめて1

  4. 覚醒3

  5. 覚醒2

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


カテゴリー
アーカイブ