「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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夏の終わりに9

手足が鉛のように重く、熱がこもっている。
綾女は倒れ伏したまま、部屋にひとりでいた。
着衣も髪も乱れ、綾女は自らの肩を抱きうなだれた。
あらん限りの抵抗をし、その原因となった蘭丸は強烈な反撃を食らって自室に引き上げている。
外はすっかり闇となり、鈴虫の音が響いていた。
「綾女、いるか」
左近が手に明かりを持ち、遠慮がちに部屋の外で声をかける。
「・・・・」
どう返事をしていいかわからず綾女が黙っていると、左近はひとつため息をついた。
「いるんだろう、入るぞ」
「だめ!」
悲壮な声で左近を留めようとしたが、かえってそれは逆効果だった。風のように左近が滑り込み、綾女の姿を見て言葉を失う。
それもそのはず。綾女はほぼ全裸であり、髪は乱れ、頬には涙のあとがあったからだ。さらにうなだれた首筋には紅い華がいくつか咲いている。
「どうした・・」
左近はゆっくりと手を伸ばし、綾女に触れる。綾女の頬に新たな涙が伝った。
「大丈夫・・何もなかった」
左近は綾女を抱きしめた。綾女の衣服が落ち、白い背中が明かりに照らされる。
「抵抗したから・・何もされなかった。大丈夫」
自分に言い聞かせるように綾女は左近に呟く。左近はさらに深く抱きしめた。
ああ、この腕。私はこの腕なら安心して身を委ねられる。
綾女はゆっくり左近の背中に腕を回した。

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