~その後・・・?~
「あの時、蘭丸は何をお前に言っていたんだ?」
しばしの抱擁のあと、左近が聞いてきた。
「永久の・・・隷属だって言っていた」
「それを受けて、お前は頷いたのか」
「他に…どうしろと…?」
綾女の声が潤む。左近を振り返った表情は切羽詰まった厳しいものになっている。
「一瞬でも遅れたら、左近は死んでいたんだぞ。頷くしか、なかった…」
初めは語気荒く、だんだんと声が小さくなって綾女は俯いた。
左近は綾女の背を優しくさすった。
「そうだな。綾女ならそうしていたな。だが、俺の身にもなってみろ。生きながらえても、綾女がこの世のものではなくなっていたら、どんな思いをするか」
「それでも」
綾女は顔を上げる。
「私は、可能性があるならかけてみたかった。この身が蘭丸に穢されても。心は左近とともにありたいと願った」
綾女が左近の胸に顔をうずめた。
「でも今は、もっと…心も体も、ともにありたい」
恥ずかしそうに綾女はつぶやき、上目遣いで左近を見上げた。
プツン・・・
左近の理性の糸が切れた。
左近は布団に綾女を押し倒し、まだ汗ばんでいる体を舐めた。
「え、なに、左近、また?」
慌てる綾女を抑えつつ、タッチを繰り返していく。綾女の声が甘く変わり、腰がうねってきた。
「や、左近、部屋閉めて…」
「どうしてだ」
「声、聞こえる・・からぁっ」
切なげな綾女の声は天下逸品だ、と左近は思った。清楚な男装の美女。だが吸い付くと離れられない肌をしている。手技を施すたびに感度のいい体が跳ね上がる。
「ああ、だめよっ」
カクカクと体を震わせ、綾女は何度となく達していく。
「も・・許して・・」
「俺はまだだぞ」
言いながら左近が、綾女の中を占めはじめるとまだ痛みがあるのか、一瞬綾女の体が強張った。
「痛むか?」
左近の問いに、綾女は首を横に振った。
「好きよ、左近」
言葉づかいまで女らしくなり、左近はそんな綾女を抱きしめた。
「俺もだ。綾女が好きだ…」
腰の動きとともに綾女は甘い声を出した。
「左近となら永久に隷属してもいいわ…」
左近はくすっと笑った。
「いや、俺が綾女の尻に敷かれるだろうな。先に惚れた者の負けだからな」
「私より先に好きになっていたの?いつから?」
「初めて会ったときからさ…」
つまり左近の前では男装は成功していなかったらしい。
それでもいい。と綾女は思った。こんなに愛し愛される喜びを分かち合えるのは左近以外には考えられない。
「く・・っ」
左近が痛みに顔をしかめた。無意識に綾女が締めてしまったらしい。
「そんなに、締めるな。ただでさえきついんだから…」
「だって・・・」
綾女の中に大きな波が生まれていた。足をさらわれそうな、大きな波。左近もそれを感じていた。
「いくぞ」
何度か打ちつけると綾女はとうとう波にのまれ、体を硬直させる。その中に左近は思いを放った。
「すごかった・・・」
息を整えながら綾女がつぶやく。今までにない経験。愛された肌はしっとりと潤い、甘い香りを漂わせている。
綾女の髪を手に巻きつけ、左近は寝息を立てていた。幸せな寝顔だった。
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