「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. 現代版
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大好き12

「ん・・・」
左近が目をゆっくり開いた。見慣れない天井。ふと横を見ると黒髪の少女がいる。携帯の画面を見て、声もなくひとりで足をバタバタさせている。
・・誰だ?この変な女。
左近は体をゆっくり起こした。その少女が気配を感じたのか振り返る。
「あ、起きた?」
振り返ったのは、髪を下ろした綾女。そして携帯の画面には、左近の寝顔。
「ここは?」
「私の部屋よ。左近はあの建物から出てきてすぐに寝ちゃったから、家がわからなくてここにつれてきたの」
「そうか、悪かった・・」
左近の手が綾女の携帯を取り上げる。
「で、俺が寝ている間にこんないたずらをしていたんだな」
「ごめんなさい。でもあまりにもきれいな寝顔だったから」
「じゃあ俺も」
「え?」
綾女が見ると同時に左近は綾女を撮った。少し潤んだ瞳、桃色の頬。
「ちょっといやだ、どんなのを撮ったの?」
「きれいな女性」
綾女はぱあっと顔を赤くして照れた。その様がなんともかわいらしい。しかし男を運ぶなんてたいした力の持ち主だ。
時計を見るともうお昼近かった。綾女は髪を結い、エプロンを身につけた。
「何か食べる?特製パスタを作ってあげる」
手際よく作っていく姿を、左近はじっと見ていた。幸せを感じていた。
「はい、できたよ。どうぞ」
「これは、昨日綾女が食べていたパスタ?」
「そう。まねて作ってみたの。食べてみて」
おいしい。左近はふと綾女の視線に気がついた。じっと覗き込んでいる。
「・・どう?」
「おいしいよ。あまりそう見なくても・・・」
「ああ、そうよね、ごめんなさい・・」
ちらっ
気にしないことにした。
左近は食べ終わり、コーヒーを飲んだ。人が身近で作ってくれるのは本当に久しぶりだった。綾女だからなおのこと美味しく感じられたのかもしれない。
「食べに行くでしょ、そこが美味しいとつい真似して作っちゃうのよ」
綾女が片付け物をしながら話している。
左近は綾女の後ろに立ち、そっと頬にキスをした。
「美味しかったよ、ありがとう」
綾女は固まってしまった。

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