綾女が目を覚ましたのは、もうお昼近かった。
広いベッドの上にはひとりだけ。
「ん・・・」
起き上がったが体がだるく、あちこちが痛む。
ぱふっ
綾女は枕に倒れこんだ。
「ふー・・・。しちゃったんだ・・・」
キスも左近とが初めてだった綾女。
顔が赤くなる。
コロンと寝返りを打ち、仰向けになる。掛け物がはだけ、胸が見えた。
ノックもせずに左近が急に入ってきた。慌てて胸元を隠す綾女。
「あ、起きたのか」
「う、うん」
左近が服を脱ぎ始める。
「な、何を・・」
身を固くする綾女をチラッと見て一言。
「それは今夜。これから買い物。だから着替え」
今夜。今夜?またするの??
綾女の視線が左近に突き刺さる。左近は肩をゆすって笑っていた。
左近ってこんな人だったっけ。
いつもクールで大人な男性。それが冗談を言っている。
案外普通の人なんだなぁ。
綾女の視線が柔らかくなった。
左近が出かけてから綾女は起き出した。ふと鏡を見て全身をチェックする。
「よかった、ついていない」
服を着てリビングに出る。柔らかい色彩で統一された部屋。男性の一人暮らしといえばモノトーンだと思っていた綾女には新鮮だった。観葉植物まで置いてある。
トイレや玄関にはポプリ。
「へー」
部屋の中を色々探検してみた。きちんと整理されている。
「なんかこう、きっちりしているとつまんないなぁ」
呟いていると左近が帰ってきた。
- 現代版
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