深夜放送の番組に出ている左近。トークはあまりしないが、2曲披露している。
そのあと・・といってももう明け方になっていたが、2日間オフになっていた。
「うーん・・さすがに夜通しは疲れるな」
控え室に戻り、伸びとあくびをする左近。背中や肩をボキボキ鳴らし、大きく息をついた。
これだけ美形でモデルもしていると山のようなファンレターやプレゼントがあるはずだが、左近は一切を断っていた。
マネージャーの陣平が愚痴をこぼす。
「いい加減、受け取ってくださいよ。俺でストップしているから、もう俺の部屋に入りきらないですよ」
この陣平もジャニーズが入ったかわいらしい青年である。どちらかといえば年上のお姉さまやオネエ様に愛されそうである。
「俺よりもお前宛のほうが多いんだろう?この頃は車やらマンションやらくれるっていううわさを聞いているぞ?」
「まさか、そんなことはありませんよ。それを言うなら蘭丸さんでしょう。とにかく、明日から左近さんのところに持っていきますからね」
「わかったよ・・でもこの頃は盗聴器やら隠しカメラやら色々潜ませているんだろう?剃刀入りの手紙とか。そういうのがなければ受け取るよ」
真面目な陣平は青くなった。あの山の中を調べなければならないのか。
その様子を左近はじっと見て笑った。
「冗談だよ。でもこれからも持ち込みは不要だから」
ひとつあくびをし、陣平にひらひらと手を振って左近は控え室を出て行った。
「左近さんてばー!」
文句を言いながらも、しょうがないなぁ、という顔をする陣平。
朝日に目を細めながら建物を出ると、またあくびが出た。
「あれ?左近?」
綾女の声がした。タオルを首に巻き、上下ジャージでジョギングの風体だった。
「綾女。ジョギング?」
「うん、毎朝走っているんだけど。左近はここで仕事だったのね。お疲れ様」
「うん、疲れたよ・・眠い」
倒れそうになる左近を慌てて綾女は抱きとめた。
「左近、左近、大丈夫?」
zzzz
困った綾女は何とか左近を起こし、表通りに出てタクシーに乗った。
「どちらまで?」
綾女は左近を見るがもう起きそうもなかった。
- 現代版
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