「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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相方がいない休日

今日は朝早くから左近がいない。
綾女は伸び伸びとしていた。休みが重なり、外は雨。
思い切り自分らしく過ごせそうだった。
いつも通りに家事を済ませ、夕飯の支度までしてしまう。
「くふふ^^」
結い上げていた髪をおろし、あったかいスエットをはき、もこもこソックスをはく。薄手のあったかいシャツを2枚重ね着し、その上にフリース、羽毛の半纏を羽織る。
こたつのそばにポットを置き、蜜柑と急須、湯呑みとリモコンをセッティング。
録りためていたドラマを見るのだ。
「あ~、シアワセ~♪」
左近には見せられない姿だと、自分でも思う。ソックス→タイツ、スエット→ミニスカート、フリース→タートルネックのピッタリシャツ、半纏→セーター。これが左近用の服装。
「そりゃ、左近好みの格好だっていいけど、スカートは寒いのよねー」
蜜柑の皮をむきながらそっとぼやく。
特に左近に言われたことはないが、なんとなく気を張ってしまうのだ。想い合うようになってずいぶん経つが、まだそこは気が抜けない。
気づくとドラマはだいぶ進んでしまっていた。お茶も冷めてしまい、綾女はため息をつく。
「ただいま」
リビングのドアを開けて左近が入ってきた。綾女はこたつに入ったまま固まってしまう。
「寒いなー、綾女、なんだその格好。こたつから出てみろよ」
綾女が左近の前に立つと、左近はしげしげと見つめた。
「可愛いな。受験生みたいだなぁ。よっぽどリラックスしていたんだ、お茶に蜜柑なんて、オーソドックスだなー」
「あの、おかしい?」
おずおずと聞く綾女に左近は軽くキスをする。
「たまにはいいだろ。いつも俺好みの格好してくれているもんな」
左近の休日。
「今日はまた冷えるなー」
家事を一通り済ませるとこたつのスイッチを入れる。暖かいインナーを重ねて、上下フリース、羽毛の半纏を着る。足元はもちろんふわふわもこもこのソックス。このソックスは男性用のサイズがなくて探し回り、やっと手に入れたもの。ピンクの大きい水玉がプリントされているが仕方がない。
こたつにお茶とせんべいを持ち込み、かじりながら本を読む。あまり読むと目がかすむので、メガネをかけている。本の内容は・・・ピーなものが多い。
「ああ、こういう表現があったか。フムフム、想像が広がりそうだな」
何の参考にしているのやら。
「ただいまー」
綾女がリビングに入ってきた。左近を見たとたんに後ろを向き、肩を震わせる。
「なんだよ」
声もなく笑い転げる綾女。
「だって、この間の私の格好より受験生じゃない。メガネかけて本読んで。ね、ハチマキ、つけないの?必勝っていう・・・あはははは!」
そして左近の足元を見て、さらに笑い転げている。
「水玉!ピンク!可愛い」
ムスッとして綾女の前に立つ左近。笑いながらこたつのそばに行き、本を見る綾女。
笑いが止まった。
「これをお勉強していたの?」
笑いがよみがえる。
「本当に、受験生みたい、男の子、息抜き」
笑いで言葉が途切れる。やがて笑いが収まると、深い息をついて座り込んだ。
「綾女?」
「笑いすぎて疲れちゃった。左近、その格好もまあいいんじゃない?これでお互いに気を張らなくて済むようになったね、よかった」
「でも俺は笑わなかったぞ。ふふん、さっそくお勉強した成果をためそうじゃないか」
綾女をひょいと抱き上げ、お風呂場に連れて行く。
「ダメよーそんな明るいのにー」
その後、リビングには湯あたりしたふたりが横になっていた。

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