「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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習い事3

いいかっこしいの左近。
やはり左手に痛みがある。いつも左手に湿布が貼られている。
「やっぱり無理したか」
綾女にいいところを見せようと、バイオリンを猛練習し腱鞘炎になった。
だが、あの時の綾女の表情はうっとりとしていて今思い出してもヨダレが出そうだ。
「綾女さんに一生懸命になりすぎよ」
「惚れておるんじゃなぁ」
佳代と龍馬はそう声をかけてくれたが、裏の気持ちを蘭丸が言い切った。
「お前はバカだ」
歯に衣着せぬ物言い。左近は反論もできなかった。
「左手が使えないんだろ。家事一切を綾女にやってもらって負担を増やし、仕事にも支障をきたしている。ろくに鍋だって左手だけでは持てまい。お前の仕事自体俺にはどうでもいいが、綾女がかわいそうだ。お前の世話までして疲れているではないか」
それに、と蘭丸は腕組みをして左近を見下ろした。あの安土の長台詞の時の立ち位置と同じだ。
「あの程度で腱鞘炎なんぞ片腹痛いわ」
くぅっと左近が悔しがる顔をする。
「だいたいなぁ、俺のところに何年レッスンで通っていたんだよ。5年だぞ5年。その間何をしていた。練習したのはここ1週間だけじゃないか。まぁ俺は、時間制でレッスン料もらっているから何にも言わなかったけど?」
ふっと優しい表情になる蘭丸。
「でもな、たった1週間であれだけ弾けるとは、俺も嬉しいぞ。教えがいがあった1週間だった。だが真面目に5年練習していれば、もっと上達していたはずだ。綾女を見習って練習しろ」
「そうだな」
素直に頷く左近。
いつも一緒に入るのだが、手が痛い間は綾女に体を洗ってもらっていた。もちろん左手で洗えない部分だけで構わなかったのだが、綾女は洗髪までしてくれた。いつも以上に肌が触れあい、左近はソノ気100%だが…。
「だめよ無理しちゃ。早く寝て、早くよくなって」
「平気さ、これくらい」
迫る左近に必死の言い訳をしようと綾女は言った。
「待っているから、ね?」
うるるんとした瞳にノックアウトされ、左近は大人しく寝るのだった。

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