仕事にはいった時の綾女は私情をはさまない。左近に対しても同じだった。平等にてきぱきと仕事をしている。
「綾女、日向はお前に惚れているのに、いささか冷たくないか?」
龍馬が思い余って綾女に言った。
「え?そうか?私は別に・・。仕事に好きも惚れたもないですから」
きょとんとした顔の綾女に、龍馬はため息をついた。
だが仕事が終わり、白衣を脱ぐと、綾女は一人の女性になる。
時々左近に会いに行って、笑いあっている。
左近の体調も順調に回復し、退院の日。
左近の仕事の都合上、めったに会えなくなる。
「左近」
白衣の綾女が珍しく甘い声を出し、左近を見つめた。左近はたまらず唇を奪った。
「愛しているよ、綾女」
「私も・・」
2人抱き合う。しかし人の気配ですぐに離れた。
「本当にありがとうございました」
百地が現れる。これから左近は警察の寮に戻り、訓練の毎日を送る。綾女もどんどん忙しくなる。
会いたいときに会える、そんな2人の時間は終わりを告げようとしていた。
- 現代版
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