綾女は空港にいた。
左近が退院してから3ヶ月。電話やメールのやり取りはあったものの、会うことはなかなかできなかった。それがやっと夏休みが取れ、2人で夏の北海道を楽しむことになっていた。
「綾女先生、お泊りですか?」
「え?あ、ああ、そうだけど」
「日向さんとラブラブなんだもの、いいなぁ」
若い看護師がキャピキャピと騒いでいた。
「3ヶ月ぶりなんでしょ?アツアツなんだからぁ」
「あー、はいはい、騒ぐのはそこまで」
綾女はハイテンションに付き合えず、頭を押さえた。休みを取るためには色々と準備しなければならない。龍馬は快く留守を引き受けてくれた。
「楽しんでこい。土産待っているぞ」
チケットを通し、綾女はシートに座った。あと1時間半ほどで左近に会える。綾女は少し頬を赤らめた。もう少しで着陸という時になって、機内に不審な空気が流れた。
トイレから出てきた男性が黒装束の男数人に突き飛ばされ、転んだ。銃器を持った男たちは散り、乗客や乗務員に突きつけた。
「この飛行機は俺たちが占拠した。大人しくしていろ」
飛行機は何度か旋回していたが、着陸し、そのままとどまった。
「まさか、ハイジャック?」
綾女はがっかりした。
- 現代版
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