「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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子狐3

翌朝。俺は島の上で子狐に戻っていた。
綾女の姿はすでになく、俺は目をこすりながら伸びをした。
「そういえば、夕べ・・へへっ」
思い出すと口元がほころんでしまう。
綾女のあの瞳の色。あれは間違いなく俺に惚れている。
まぁ、俺ももう綾女に惚れているけれどな。
「あら、もしかして左近様?」
聞き覚えのある声がした。あの桔梗が覗いている。確かこいつも死んだんじゃなかったっけか。
「どこです?」
ああ、これは陣平だ。
「そうだよ、俺だよ」
俺がふたりの前に立つと、桔梗はまじまじと俺を見た。
「お前たち、どうして生きてそこにいるんだ?」
「俺たちもはじめは小さな動物として生まれ変わったんですよ」
「じゃあ俺もそのうち人間に戻れるのか?」
「経験値が必要ですわ」
陣平は頷いたが、桔梗と見つめあい、少し顔を赤くした。
「はい。好きな人と過ごす経験が多ければ多いほど、値は上昇します。変換ポイントは100万。話し、食べ、遊ぶ。好きな人と過ごす行為そのものがポイントになるので、相手がいなければそれだけポイントには繋がりません」
おれはそっと部屋の中を見た。綾女はほとんどいない。
そんな俺を見て、桔梗が言った。
「私は・・陣平を連れ歩きましたわ」
俺はぴょんと飛んだ。
「それだ。俺も綾女についていくぞ」
「それは・・」
言いよどむ桔梗。
「綾女様のお兄様もいらっしゃるから・・・できるかどうかはわかりませんわね。今のそのお姿では到底追いつけませんし」
「夜になれば、人の姿に戻れるだろう?」
「初日の夜だけです」
俺はくらくらとした頭を抑えた。何てことだ・・・。
「陣平」
「はい」
「お前は、どのくらいで戻れた?」
「俺は・・桔梗さんが離れずにいてくれたから、1週間てところでした」
「そうか」
左近は前途多難だと思った。

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