「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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子狐4

その晩になって、綾女はやっと戻ってきた。
俺は眠い目をこすりながら綾女に飛び乗った。
「綾女、お帰り。ご苦労だったな」
「なんだ、左近。寝ていたんじゃなかったのか」
俺は体を綾女の頬に摺り寄せた。綾女はしばらく俺の体をさすってくれたが、不意に島に俺を戻した。
「なんだ?」
「湯」
綾女はそそくさと着替えを出した。俺は慌てて着替えの中に滑り込んだ。置いていかれてはたまらない。
「すごい・・」
綾女は俺がいるのを知らずに脱いでいく。その白い体を俺はただただ見つめていた。
「ん?」
綾女が俺に気づいた。腕で体を隠し、見る見るうちに真っ赤になっていく。
「もう、左近は!見ないで!」
空の桶を上にかぶせられてしまった。俺はしばし桶を内側から叩いていたが、疲れてやめた。静かになった俺に、綾女は心配になったらしい。
「左近?」
桶が持ち上げられ、綾女の甘い香りがいっぱいに入ってきた。
「仕方ないな」
桶に湯を張り、俺を丁寧に洗ってくれる。俺は目を細めて綾女の指に甘えた。
「そういえば左近、今晩は人の姿にならないんだな」
「ああ、戻るまでしばらく時間がかかるらしい」
綾女が俺を見た。嬉しそうな顔をしている。
「戻れるのか?」
自分でも声が弾んだのがわかったのか、綾女はふいっとそっぽを向いてしまった。
「それはよかったな」
「うん」
それだけでも俺は満足だった。

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