「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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織姫7

6月15日日曜日。
桔梗から言われた時間に綾女は来た。
「あら?」
見覚えのあるドレスがかかっている。
「そのドレスは、今日お式を挙げる綾女さんが着るのよ」
桔梗がニコニコして現れた。
「お式?え?私?」
「そう。左近さんが言っていたわ。長い付き合いだけど、けじめをつける時期なんじゃないかって。入籍とかそこまではいいとしても、何か形になるものがいいんじゃないかってね」
「左近たら・・・」
綾女も同じ思いがあった。表情が柔らかくなったのを見て、桔梗が声をかけた。
「お支度、しましょ」

昨日念入りに下準備をしていたため、軽いメイクとヘアメイクだけで澄んだ。ドレスはぴったりだったが・・・。
「ちょっと胸元が窮屈かも」
そっと呟いた綾女。桔梗はニコニコしている。
「1ヶ月前にサイズは左近さんから聞いていたけど、もう、どれだけ綾女さんのことを愛しているのかしら。予想できていたから、これで、はい大丈夫」
胸元はリボンを結びなおすだけで調節できた。
「サイズって?」
「ええ、私は綾女さんをマッサージしているから大体はわかるけど、左近さんはミリ単位で把握していたわよ。もう、お熱いわね~」
綾女は真っ赤になってしまった。

ドレスはあまりにも似合いすぎている。鏡に映った自分を見ているのだが、自分ではないような錯覚さえ覚えた。
「綾女」
左近が着替えて様子を見に来た。一目見たとたんに言葉を失い、立ち尽くしている。
「30分後に来るわね」
桔梗はそう言い置いて、退室した。
「想像していた以上に・・・きれいだ」
ため息とともに左近が言う。綾女は恥ずかしそうに顔を伏せた。
「自分でもびっくり。私じゃないみたいなの」
「いや、この姿が本来の綾女なんだ。綾女はきれいなんだよ。いつでも俺はそう見ている」
「ありがと」
軽く唇を重ねる。
左近は綾女を抱きしめた。
「いきなりで驚いた?」
「そうね。でも私も左近と同じように、そのうち何らかの形でとは思っていたの。だから嬉しい。ありがとう」
「式が終われば、もう綾女は一生俺のものだな」
「そうね。左近は一生私のものね」
左近がもう一度キスをしようとすると、桔梗が帰ってきた。
「あらあら、メイクを直さなきゃ♪」

綾女が式場に姿を現すと、あちこちの囁きが一切なくなった。みな息を飲んで綾女に見入ってしまった。清廉な美しさ。浄化するようなオーラが式場いっぱいに満ちているようだった。
その輝きの中で、綾女は左近と誓いのキスを交わす。
「美しすぎる花嫁」として挙式の様子はネットでも流れ、会社のCMにもなり、雑誌にも掲載された。

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