流れる黒髪。紺のハイソックスの足はすらりと伸びて、丈の短いスカートからは白い太ももが露に見える。優等生で清楚な大人びた少女。そこはかとなく漂う色気。
・・・最高の獲物。
今にも出そうになる牙を抑えながら、その妖魔は綾女とすれ違う。すれ違いながら綾女の顔を見て、あまりの美貌につい牙が出てしまった。
ああ、あの首筋に今すぐ喰らいつきたい。
芳しいばかりの甘い香りを放ちながら綾女は通り過ぎた。その香りは、妖魔にとってはたまらない香り。綾女が持つ、血の香り。
「あの」
その声に綾女は振り向いた。後ろ手には青く輝く妖刀を持って。その妖魔は見目麗しい男性だった。ただその瞳が綾女の意思を一瞬にして奪った。
「なんて美しい人だ」
催眠術にかかってしまった綾女をゆっくり横たえた。頬から首筋、そして太ももを撫でさする。吸い付いて離れないその肌の滑らかさに、妖魔は恍惚となっていた。綾女をうつ伏せにし、ゆっくりとスカートを捲り上げていく。
「う・・ん」
肌に感じる違和感に綾女は意識を取り戻しつつあった。伸ばした手の先には妖刀が落ちている。だが思うように体が動かない。
妖魔の手がショーツの紐をほどくと、綾女は飛び起きた。
「何を・・」
女として恥らう姿も、妖魔にとってはただの調味料でしかなかった。
「お前、俺の女になれ」
綾女はかぶりを振った。妖魔が触れていた下半身に力が入らない。
「永遠の命をもつことができる。その美しさを永遠に保てるのだぞ」
綾女の指先が妖刀に触れた。そのとたん、綾女の体に力が戻った。
「もう十分だ。永遠の命なぞ・・・もう要らぬ」
キン・・・と妖刀の光が輝いた。妖魔はふっと笑った。
「俺は女の生き血を、お前たち影忍は妖魔の気を浴びて生きながらえる。同じではないか」
綾女はきっと睨み据え、妖魔を青い光の中に溶かした。
- 時を超えた絆
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