「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. 時を超えた絆
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ヴァンパイア4

綾女は身なりを整えた。
「綾女」
左近がそばに来て優しく声をかけた。
「左近」
「何だ」
「私は・・生きているんだろうか。この妖刀が光り続ける限り、生きなければならないのだろうか」
左近は優しく、その細い体を抱きしめた。
「俺も時々それを思う。ひとりならとっくに世を儚んでいたが、お前がいる」
左近の腕の中で綾女は小さく頷いた。温かい左近の胸。不意にたまらなく甘えたくなり、綾女は頬をすり寄せた。左近の手が優しく綾女の髪をなでている。
「ありがと・・」
「そうか・・今回のはちょっと綾女にとっては辛かったな」
龍馬と左近がお店で話をしている。そばに綾女も座っていたが、カウンターに突っ伏して眠っていた。お酒に弱いのに3杯飲み、潰れてしまったのだ。
妖刀を使う3人だからこそ、今回の事件は多少とも堪えていた。
「俺は何回か転生しているが、お主らはそのまま生き続けているからな。ふたり共にいなければ耐えられなかっただろうな」
「ああ・・。だが、これからもああいう妖魔がいることは否めないからな」
左近は優しく綾女の髪をなでた。さらさらと零れ落ちる髪を指に絡め、本当に愛おしそうに口付けをする。龍馬は真っ赤になった。
「しかし、お前も綾女もずいぶん素直になったものだな」
「そうか?」
左近は綾女を見つめたまま返事をした。
「生き方の工夫だろうな。少しずつ心を開けば、こいつも応じる。いろんな顔を見せてくれる。ますます、愛おしいと思ってしまう」
龍馬は大きく頷いた。
「そうだな」
「悪いな、夜にお邪魔した」
左近は立ち上がり、綾女を揺さぶる。とろんと目を開けた綾女は龍馬に愛嬌たっぷりで手を振り、左近に抱えられて店を出て行った。
その夜はお互いに肌をくっつけ、温もりを感じながらただ身を寄せ合ってゆっくり眠った。

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