「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。
午前6時。俺の生活が始まる。もともと睡眠時間は少ない方だが、短期集中型で熟睡しているので、数時間で十分だ。外を見てため息。また雨だ。まずは毎朝俺の腕の中に…
鬱陶しい梅雨の時期だが、たまたま梅雨の中休みなのか、ふと空を見上げると星が光り輝いている。「ああ、そういえば七夕だったな・・」香澄の里で聞いた話。ほんの数年…
気休めにもならない、ぬるい風がかすかに吹く。「暑いな」左近は起き上がって、少しでも風に当たろうと縁側に近づいた。「ふう」腰をかけると、少し風が当たるよう…
久しぶりの、束の間の静寂な夜。不意に手渡されたそれは、細長い紙縒(こより)だった。「なんだ?」言いながらも綾女は手に取った。その表情がふっと和らぐ。「懐…
川面をギラギラと日差しが照りつける。底の浅い川は、水がぬるくなっている。それでも喉を潤すには十分な冷たさだ。左近が日陰で涼んでいると、綾女が現れた。「どこ…
開け放たれた部屋。ひとりの少女が眠っている。蚊遣りの煙が静かに立ち上り、時々思い出したように動く団扇からの風で、揺れる。吊られた蚊帳の中に布団を敷き、綾女…
蛍を眺めていた綾女。里を思い出して涙する。本当はあの時、綾女のそばにいて慰めたかったのは、この俺なのに。あれから数年がたち、ふたりで蛍を見ることができた。…
夏の昼。何も遮る物のない、広い草原を左近と綾女が歩いている。眩しいほどに明るかった景色が、少し薄暗くなる。風も出てきた。「何だ?」綾女が立ち止まり、視線…
やかましいほどの蝉の鳴き声の中に、夕方を思わせるヒグラシの声も混じる。縁側で外を眺めている左近は、一向に暑さを感じさせないほど、涼しげな顔をしている。「・・…
時は平安。春の気配が近づきつつも、まだ雪が降る日のこと。後朝の文を交わして、夜が明けやらぬ牛車の中。「あ、ふぅ~~」大きく欠伸と伸びをし、その拍子にずれ…
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