「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. 閑話
  2. 132 view

「終わったな」
「ああ、終わった。綾女」
振り向こうとした左近の体に異変が起きた。鈍い音とともにゆらりと地面に倒れ、苦悶の表情をしている。
「左近、どうした、左近!」
左近は全く動けない。龍馬とともに葉隠れの里まで綾女は左近を運んだ。

「ぎっくり腰ですな」
「ぎっくり腰…」
「まぁ、今は痛みが取れるまで湿布を貼るしかないですよ。無理な動きをしようとしたんでしょう」
左近は口を一文字に引き結び、痛みに耐えていた。
龍馬は里長としての勤めがあるため、必然的に左近の面倒は綾女が引き受けることになった。
「まずは…体を拭いて湿布を貼る」
手拭いを絞り、脱がせながら左近の体を拭いていく。左近の体の動きが最小限になるように、綾女は気を遣いながら拭き上げた。布に湿布を塗りつける。
「腰に貼るから」
「ああ」
夏でも冷たい湿布が貼られた。左近は体をこわばらせたが、なされるがままだった。綾女は座布団を2枚丸めて左近の背中に入れた。
「少しでも寄りかかれるなら楽だから」
「すまぬな」
左近はゆっくり深い息を吐いた。夏だというのに湿布は寒いほどだ。
「少し休め」
道具を片付けながら綾女が少し微笑んだ。左近と視線を交わす。左近も優しい光を瞳に宿していた。

仕事が一段落して龍馬が様子を見に来た。
「ただのぎっくり腰でよかった。綾之介が真っ青な顔をしていたぞ。あまり心配させるな」
左近はふっと笑った。少し体を動かして、顔をしかめた。
「龍馬殿、すまぬが」
用を済ませて左近は布団に戻った。綾女にはとても頼める用ではなかった。本当は龍馬にも頼みたくはなかったが、今はやむを得なかった。
「ま、あと2、3日は身動きもままならないだろう。わしでよければいつでも手伝うからな」
龍馬は快く引き受けてくれた。

翌日も綾女は体を拭いて湿布を取り換えた。食事も食べさせてくれた。
「左近、うっかりしていたが、厠は」
「大丈夫だ」
「だって」
「心配するな。お前に俺は支えきれない。それに少しずつ楽になってきているから、自分で動ける」
「・・・」
綾女が部屋を出てしばらく様子をうかがっていると、龍馬が来て左近に肩を貸していた。何とか歩けるが、だいぶ龍馬に体を預けていた。
3日目ともなると、だいぶ左近は回復してきた。手をついて部屋の中を動ける。腰の様子を見ながら、綾女は湿布の調合を変えた。

「だいぶ調子が戻ってきたようだな」
腰を痛めて5日目。やっと立って動けるようになり、床に座れるようになった。
「ずっと寝ていて体中が痛い。少し按摩をしてくれないか」
綾女は左近の後ろに立膝で立ち、首や肩を揉み始めた。綾女の手が凝り固まった筋肉をゆっくりほぐしていく。
「ずいぶん固く凝っているな。腰をかばって体のあちこちに負担をかけているんだ」
「・・・」
左近は痩せ気味だが、筋肉は発達している。やはり男なのだ。綾女は少し顔を赤くした。一度だけ肌を合わせ、その時に本名を明かした。安土の戦いを控えており、もう命はないと覚悟をしていたが、無事に皆生き延びることができた。
それから綾女は左近を変に意識してしまうことがある。
「だいぶ楽になった。お前も疲れただろう」
左近がゆっくり振り向き、綾女を見つめた。綾女は慌てて視線をそらし、左近から離れようとした。
「んっ」
身体を動かすのがやっとのはずの左近が素早く綾女を抱き寄せ、唇を重ねた。綾女の体から力が抜けていく。うるんだ瞳で左近を見つめる。
「ダメ、まだ体が…」
久しぶりの左近の愛撫。やっとの思いで綾女は左近の腕を押さえた。
「お前を抱きたい」
「腰が治ったら、今はまだダメ」
「そうだな。治ったら。約束だぞ」
綾女は顔を真っ赤にして部屋から出ていった。

さらに3日後には、左近はすっかり回復し、剣の鍛錬も再開していた。
「肌を合わせた日から、戦いが終わるまで我慢していた。今までの分を埋め合わせしたい」
ふたりの髪が入り混じり、綾女の甘い肌を左近が味わっている。唇を何度も重ね、睦言をささやき合う。綾女の肌で、左近の指や舌が味わっていない箇所はない。綾女自身の指が届かないところも左近は堪能している。
何とか抑えようとしていた綾女の声もすぐに漏れ出てしまい、その声で左近はますます昂る。身体をつなげたまま何度も精を綾女の中に送り込む。
やっと綾女を解放したのは、明け方だった。
そしてその日1日腰の痛みに顔をしかめるのだった。

閑話の最近記事

  1. 希望

  2. キャンプ

  3. あなたに会いたい

  4. かまってちゃん

  5. 戻れる?

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


カテゴリー
アーカイブ