「左近・・様っ・・」
女の声が高く上がり、そして消えていく。
左近は戦いが一段落したので、遊郭に来ていた。
格子の中に似た女がいた。
その女と枕を交わしたのだが・・・。
「私が、どなたかに似ています?」
女がゆったりと尋ねた。
「なぜだ」
「私の向こうに、どなたかを追い求めているようでございましたので」
「・・色々あってな」
戦場における綾女は、鬼神のように駆け抜け、妖刀を使い、立ち向かう軍勢をその青い光の中に飲み込ませていった。もはや綾女を動かしているものは、憎悪だけだった。
「妖刀の使いすぎだ」
龍馬から諌められても、
「大丈夫だ」
と綾女は答える。その実聞いてはおらず、また戦場に向かう。
綾女の心の傷を癒せるのか。
左近はどう接していいかわからなくなっていた。
- あの時代
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