朝、綾女の寝起きは最悪だった。
「あー、だるい。喉も痛い。風邪引いたかな。わ、汗でびっしょり」
綾女はシャワーを浴びに浴室に行った。誰かがもうひとつのシャワールームを使っているようで音がしていた。
「もうでるのかな。こっち(空いている方)は出が悪いんだよね。待っていよう」
とたんにドアが開き、バスタオルをかぶった左近が出てきた。上半身は裸で、引き締まっていた。
「綾女も入るのか」
茶色の髪から滴が垂れており、まことに色っぽい。綾女は自分の頬が赤くなっていくのがわかった。
「う、うん、入る」
左近のそばをすり抜けるようにして中に入り、鍵を閉めた。
脱ぐ気配を感じさせないようにすばやく裸になり、浴室に入ろうとすると左近の声がした。
「綾女、まだそこにいるか。俺、部屋の鍵を置きっぱなしにしてしまって、そこにないか?」
「どんな鍵?何か目印ついてる?」
「キーホルダーが付いている。”信長君”の」
脱衣籠の下に落ちていた。
「あったよ。えーと・・・」
ドアの下の隙間から鍵を外に出した。
「ああ、これだ、ありがとう。早く来いよ」
「はーい」
浴室には左近が使ったシャンプーの匂いが残っていた。
「クール系ね。ふふ」
綾女は手早くシャワーを浴びた。
体を拭き、仕上げにシトラス系のコロンをつけた。
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