夏の思い出から7年。
綾女は佳代の家に遊びに行っていた。
高校卒業後、佳代は龍馬と結婚し、すでに2人の母になっていた。
「赤ちゃんはかわいいわね」
ふくふくとしたほっぺたをそっと触る。
綾女23歳。左近と婚約しているが、当の左近は海外出張中である。
「綾女だって、左近が帰ってきたらすぐに産むわよ」
「だといいけどね・・・。この間も帰ってきたと思ったらすぐに。で1年でしょう?」
「今度は大丈夫よ。うち(龍馬)が上になったから。それより明日でしょう、帰ってくるのは」
「そうね」
「元気ないなぁ、マリッジブルーかな。来週には結婚式なんだからね」
佳代に励まされ、綾女は新居になる家に戻った。
昨日左近から荷物が送られてきた。それらはすべて整理し終わり、家具もそろえたが、左近がいないため気持ちも沈みがちだった。
「早く会いたいな、左近」
翌日。綾女は空港に行った。
左近の便が到着したものの、なかなか当人が降りてこない。
やっとその姿を認めたとき、綾女はほっとした。
長身でスーツがよく似合う。
「綾女」
「お帰りなさい」
左近が綾女の体を抱きしめる。
「ちょっと、人前じゃない」
「あ、そうか」
左近は慌てて離れた。
「俺は会社で報告してから帰るから」
「うん、気をつけてね」
綾女は買い物をして新居に戻った。左近も夕方には帰り、久しぶりに夕食をともにした。
「龍馬に呼ばれて、これからの出張のことを言われたよ」
綾女の手が止まった。
「どこなの?」
「本社だ。日本にいられるんだ」
「よかった」
綾女はとても喜んだ。
- 現代版
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