本当の気持ち 148 view 本当の気持ち11 齢40を越える国主は忍びの技をことごとく見破る眼力の持ち主だった。綾女はその瞬間までその肌を国主の手で穢されていった。「この肌、白さ、この手に吸い付くようだ…
本当の気持ち 167 view 本当の気持ち12 綾女は左近に会うのが怖かった。気配を悟られないよう、そっと布団に入ろうとした。「!」綾女の布団の中に背を向けた左近がいた。「何故ここにいる。おぬしの部屋…
本当の気持ち 170 view 本当の気持ち13 綾女の冷えた体を、左近がゆっくり抱きしめた。「こんなに冷えて。風邪を引くぞ」綾女は少し緊張したようだがすぐに左近の動きに体を任せた。シュルッ綾女の帯が一…
本当の気持ち 144 view 本当の気持ち15 昼前、里の長が二人のもとを訪れた。「信濃の国主が、昨夜身罷られたそうだ」綾女のほうに向き直る。「綾之介殿が手を下されたのじゃな」綾女は黙ったまま手を着き…
本当の気持ち 146 view 本当の気持ち18 翌朝、綾女は元気いっぱいに回復していた。「見回りに行ってくる」足取りも軽く、嬉々としている。思えば半年振りの山駆けである。信濃の館でおとなしくし、戻ってく…
本当の気持ち 162 view 本当の気持ち19 風に温かみが増してきた。庭に植えてある蝋梅が咲き始めている。その香りは綾女の気分をいくらか楽にしていた。ひどい風邪を引いたのだ。熱は3日間続き、うつるか…
本当の気持ち 132 view 本当の気持ち20 蘭丸は左近の様子にあきれていた。「まあよくそんなに行ったり来たりするものだ」綾女が病で寝付いていた1週間というもの、左近は落ち着きがなかった。一度綾女の体…
本当の気持ち 1 view 本当の気持ち・・完 安土の件があってから1年。綾女と左近は身も心も蕩けるような甘美な時間をともに過ごせるようになっていた。いつの間にか里人にも綾女が女であることは知れ渡っていた。…