「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

  1. あの時代
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本当の気持ち11

齢40を越える国主は忍びの技をことごとく見破る眼力の持ち主だった。
綾女はその瞬間までその肌を国主の手で穢されていった。
「この肌、白さ、この手に吸い付くようだのう」
国主は左近に愛された綾女の肌を染め直していった。
綾女から涙がこぼれた。それは演技もあったが、女としての涙だった。
「これはこれは。ほっほっほ。生娘か」
内腿からなで上げるように、国主の指が這い上がってくる。
「ああっ」
綾女は顔を両手で覆った。
「怖うないぞ…快楽が待っておる」
綾女の両手を掴み、顔を覗き込んだ瞬間、国主は喉元に毒針を受けた。
それは徐々に仮死、死に至る毒。
綾女は倒れた国主にそっと布団をかけ、そのまま屋敷を去った。
数刻後、夜半過ぎ。
綾女は里の湯にその身を浸していた。
湯の中に雪と、綾女の涙が溶けていく。
頭ではわかりすぎるほどわかっていること。女である以上、それも武器にするのが忍びである。それを承知で今回の件を受けたはずだった。
綾女の白い肌が赤くなるほどこすっても、国主の手の感触は消えなかった。
「落ち着かねば…これからもこのようなことはあるだろう。いちいち心乱れていてはならない」
小さく、自分を戒めるように呟き、綾女の姿は自室へ消えた。

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