その帰り、2人は見事な桜の木のそばを通りかかった。
「左近、この桜が咲いたら見事だろうな」
まだ蕾だが、あちこちほころんできている。
左近はその光景にふと夢を思い出した。
「この桜だ・・」
この桜が咲き誇っている中、綾女が倒れている。左近は綾女をぎゅっと抱きしめた。
「左近、なにを・・?」
失いたくない、この愛おしいものを失わせはしない・・・!
左近はその晩も夢を見た。
あの桜がある。花びらも散り舞っている。
そのもとに綾女が着物を着て立っている。
左近・・・
帯をほどき、着物の前を開ける。見事な体が現れる。
こんな私でも、抱ける・・?
綾女の体が一瞬ゆがみ、腐り崩れていく。
私を愛しているんでしょう?抱いて・・。
そして綾女は腐った肉塊となって、左近の足元に崩れ落ちた。
「!」
左近は目を見開いた。ふた晩続けてみる不吉な夢。腕の中には先ほどまで愛していた綾女がまどろんでいる。綾女の裸体を左近の手が撫でていく。こんな美しい体も、いつかは滅びるのだろうか。そんなことを考えた。
「左近?」
綾女が目を開け、左近を見つめる。左近の愛撫で目が覚めたらしい。声がすでにとろけている。左近はゆっくりと腰を突き入れた。綾女の体が柔らかく反応する。綾女の嬌声を聞きながら、左近は自分を解放した。
- あの時代
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