「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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青空5

エプロンをつけた綾女が、うちの台所に立っている。リズムよく野菜が切られていき、鍋にポンポンと入れられる。
「あとは煮込んで灰汁を取ってカレーを入れたら出来上がりよ」
言いながら、レタスを洗いちぎってサラダボウルに入れている。
冷蔵庫に寄りかかって、俺はただ見とれていた。ぼんやりと将来こういう姿を見たいな、とも思い、慌てて妄想を振りちぎった。
サラダを冷蔵庫に入れようとして綾女は俺を見た。
「どうかした?」
「なんで?」
「何もしゃべらないから。ほらどいて」
まさか見とれていたなんて口が裂けても言えない。冷蔵庫にサラダをしまって綾女は不思議そうに見つめた。
「変なの・・・」
灰汁をとり、弱火にした綾女はエプロンを外した。ぴったりとしたポロシャツにミニスカート。目のやり場に困りながらも視線が外せない。
「い、いつもそんな格好なのか?」
「そうよ?なんで?」
綾女が寄ってくる。思わず触りたくなるような身体のライン。綾女はそんな自分にまったく自覚がない。
「だって暑いじゃない。台所にいたからなおさらだわ」
団扇でパタパタ扇いでいる。
「じゃあ、シャワー入ってこいよ。あとは俺がやるから」
「いいの?」
「ルーを入れるだけだろ?」
「入れるだけじゃなくて、ちゃんと溶かすのよ」
「あ、ああ、わかってるよ」
夜になってから降り出した雨はどんどん勢いが増してきている。
「雨、すごいね・・」
シャワーから出た綾女は不安そうに外を眺めていた。
「泊まっちゃおうかな・・」
桜色の唇から、小さい呟きが漏れた。俺の鼓動は一気に早くなった。
「ゆっくり飯食いながら考えろよ」
綾女は小さく頷いた。

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