いつも夢を見る。
どんな夢かははっきりと覚えていないが、いつも涙で枕が濡れている。
今朝もそうだった。
「あー、やっぱり・・」
瞼が少し腫れていた。
顔を洗うと、冷蔵庫から小さめのアイスノンを取り出し、瞼に当てる。
「今日が休みでよかった」
しばらく当てていると、腫れも引いてきた。
ピンポーン。
インターフォンが鳴り、出ると見知らぬ男性が立っていた。
「昨日、隣に越してきた疾風です。よろしくお願いします」
言いながら紙袋を差し出し、綾女はそれを受け取った。
「あ、はい。わざわざご丁寧にありがとうございます」
しばし見つめあう。ふと我に返ったその疾風という男性は、軽く会釈をして自分の部屋に戻っていった。
「やだ、私ったら。見つめちゃった」
綾女は少し恥ずかしげに微笑んだ。
- 現代版
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