「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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変わらぬもの10

「綾女、綾女ってば」
「ん?」
「何ぼんやりしているの?」
佳代が興味しんしんに覗き込んでいた。
「もしかして、進展あったの?」
つい口元がほころんでしまい、綾女は照れた。そっと佳代に耳打ちをする。
「本当に?すごいじゃない。相思相愛か、いいわねぇ」
佳代がうっとりと、視線を宙に泳がせた。そして気づいたように綾女に向き直る。
「蘭丸は?告白されたんでしょ?」
「あ、うん・・・。悪いとは思うよ。だけど、自分の気持ちは偽れないよ」
「そうか・・そうよね」
気が重くなってしまう綾女だった。
帰りは蘭丸と一緒になった。
「綾女、昨日の返事を聞かせてくれないか」
「返事ね・・」
綾女は蘭丸をまっすぐ見つめた。
「ごめんなさい、私好きな人がいるの」
蘭丸は動じない。
「だから、俺の気持ちは受け入れられないということ?」
「そう・・。ごめんね」
それで引き下がる蘭丸ではない。綾女の肩をつかんだ。
「誰だよ、好きな男っていうのは」
「知って、どうするの」
「報告するのさ」
「報告って・・何を・・?」
綾女の体が震える。何をされるかがわかってしまった。そのままベンチに押し倒される。
「だめ、離してよ!」
足を動かし、蘭丸を蹴ろうとする。蘭丸はやすやすと手足を押さえ、上にのしかかった。
「言えよ。誰なんだ」
綾女は顔を背けた。蘭丸は軽く舌打ちをし、綾女から離れる。綾女は乱れた衣服を手早く直し、足早に去った。

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