「炎情」は、妖刀伝二次小説サイトです。 綾女と左近の、本編でのあの別れに納得できなくて、色々な妄想を膨らませ、ちりばめています。

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変わらぬもの12

それからしばらく、綾女は蘭丸を避けるように生活をしていた。だが精神的にも辛くなってきたために、事情を佳代だけには話した。
「どうしてもっと早く言ってくれなかったの」
涙を流しながら佳代は話を聞いてくれた。
「ここのところ、あんなに明るかった綾女が暗く沈んでいて、なかなか声もかけられなかった。もっと早くに私も聞けばよかったね、ごめんね」
綾女は佳代の反応を嬉しく思った。
「でも、蘭丸は左近を知るまでは、付きまとうかもしれないわよ」
「でも知ってしまったら、左近にどんな危害が及ぶかわからないわ」
ふたりは頭を抱えた。
だが蘭丸はとうに左近が相手だと知っていた。
貸したDVDが左近のお気に入りとなった時点で気がついた。
さらに左近が綾女と過ごした後、そのDVDを蘭丸に返しに来て確信を持った。
「綾女だろ、お前の彼女」
「そうだ」
そのやり取りで、蘭丸は綾女から手を引いていた。無論、未練はたっぷりあったが・・・。
「佳代」
「あら蘭丸。もしかして綾女のことで相談かしら」
「ああ・・。謝りたいんだが、ふたりきりだと怯えるだろう?だから同席してほしい」
「そう。もう綾女にはまとわりつかないっていうことね」
「そうだ。約束する」
綾女と蘭丸、そして佳代と左近がいる中で、蘭丸は綾女に謝った。
「怖かったんだから・・」
安堵で綾女の気が緩み、ほろほろと涙が流れた。
左近と結ばれたとはいえ、そんな綾女は本当にきれいで、男であればすぐ抱きしめたくなってしまう。
「ごめんな・・。もう怖い思いはさせないから」
綾女は左近ではなく、佳代に抱きついた。腕を差し伸べようとした左近は慌てて誤魔化し、佳代を恨めしそうに見た。
「綾女、左近が見ているわ。義理でもいいから左近に抱きついたら?」
綾女はくすくすと笑った。
「いいの。左近も知っていながら教えてくれなかったんだもの。だからお仕置きなの」
「そうね。男ってずるいわよね」
「ねー」
女ふたり、くすくすと笑いあった。

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