左近の愛情がこもった”治療”で回復できた綾女。
毎日見違えるようにきれいになっていく。
左近と出会ってまだ3ヶ月もたたないが、綾女はすっかり成長していた。
「恋人というより・・夫婦っぽいよね」
「そう?先週から一緒に住み始めたからじゃない?」
当の綾女はあっけらかんとしている。
左近の部屋の方が広く、角部屋で景色もいいことから、綾女はとうとう隣から引っ越した。
一緒に住むとなると、色々弊害も起きてくる。
まだ学生の綾女が家事を引き受けているが、左近も休みの日はそうじをしたり意外なものを作ってくれることもある。
「このお弁当も左近が作ってくれたの」
「見せて~」
そこにはタコさんウインナーや卵焼き、おむすびには海苔で顔が書かれている。
「かわいいでしょ。あっ」
にわかに顔を赤らめる綾女。おかずの隅にケチャップでハートが書かれている。
「何?何赤くなっているのよ?」
「なんでもないよー、さ、いただきますっ」
ケチャップのハートは、何のマークなのか。
お弁当は、黙して、語らず。
- 現代版
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