「左近、あなたもしかして、今日飛行機の中にいた?」
左近は綾女の肩を抱いた。
「いたよ・・」
「そう」
エレベーターが着く。深めのカーペットが敷かれた廊下に2人は足を踏み出す。
部屋に入ったとたん、左近は綾女を抱きしめた。
「会いたかった」
「うん」
左近が、結い上げた綾女の髪をほどく。黒髪が艶やかに綾女の背にこぼれる。その髪を左近は撫でた。
「俺だと、わかったのか?」
「うん。だってあんな優しい目は私にしか向けないでしょ?」
左近はふっと笑った。
「そうだな。さすがだ」
綾女もくすくす笑う。
「かっこよかったよ、左近」
左近は綾女のあとにシャワーに入った。シャンプーの甘い香りが残っている。
シャワーから出ると、綾女が窓際に立ち、夜景を眺めていた。
「こんな高いところから夜景を見るなんて久しぶり」
左近は綾女の後ろに立ち、両肩を抱いた。綾女の髪に顔をうずめる。
「いい匂いだ。綾女の匂い」
そっと綾女の髪を流し、うなじに口付けを落とす。綾女の体がかすかに震えた。
- 現代版
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